2011年10月31日

任さん韓国に帰国

この度、生徒さんの任 鳳鍍(キムボンド)さんが韓国に帰る事になりました。
日本語塾(和)開設時から欠かさず出席してくれた生徒さんです。

彼の家から教室までは歩くとかなりの距離があります。
交通手段を持たない彼を日本語ボランティアが車で送り迎えをしていたのですが、都合で迎えに行けない時、その長い道のりを走って教室に向かっている彼を途中で見つけ、声を掛けて車に乗せた記憶が忘れられません。
ちなみにその道は遠いだけでなく教室までの長い坂道です。

彼の日本語を習いたい強い気持ちがほんとうに伝わってきた一瞬です。

彼は韓国では、公務員をしていました。
ご存知の方も多いと思いますが、韓国は日本よりいわゆるお受験戦争が激しく公務員になる事は楽ではありません。
そんな戦いを勝ち抜いてきた彼だから日本でも頑張れたのでしょう。

彼から聞いたエピソードですばらしい事があります。
彼は日本人の奥さんを持っているのですが、彼女とは韓国の病院で偶然知り合い
その後日本に帰った彼女とメールと手紙の交換を6ヶ月続けて結婚にまで至ったそうです。
手紙・メールは全て日本語で行ったとの事でした。

国を超えた遠距離恋愛です。驚きですね!

彼は、日本に来る前に韓国で外国の方に韓国語を教えていました。
日本では逆の立場になり「教える側」と「教えられる側」の両方を経験なさっています。
その経験を元に私もいろいろな事を彼から教えて頂きました。

彼が言っていた事で印象的なものがあります。
日本に来ている外国の方は全て日本語関連の試験を受けたくて来ている訳ではない。
むしろほとんどの人が、日常会話を習得したくて来ている。
教材は日常にある新聞の4コママンガや雑誌を利用して、相手の興味をそそる授業にするべきであり本格的な日本語テキストは優先順位2番でしかない。
また日常会話を習いたい外国の方にとって、テキストに沿ってだけの授業はとてもつまらないものになってしまう。
授業は楽しくなければいけない。

彼が出してくれた例にこんなものがあります。
1食べちゃった。
2食べてしまいました。

1は日本語テキストにはまず出てきません。
2は必ず出てきます。
しかし、2のような文語的な言い方を日常会話では使わない。
1の方が頻繁に使用されます。

実際日本語ボランティアの幾つかを見ていますと、日本語テキスト重視の傾向が強く日本語に関連した試験の受験を薦める傾向があります。

彼は日本に来たい気持ちを昔から持ち、今回結婚を気に日本にいらしたのですが事情により帰る事を決断せねばならなくなりました。

今後、実際に会って日本語を教える事は出来なくなりますが、今の通信事情は格段に進歩しておりスカイプを利用して、帰国後も日本語は教えていく予定です。
こんな便利なものが奥さんとのお付き合いの時にあったら楽だったしょうね。

彼の韓国での輝かしい未来を心から願っています。

終わりに
この記事をブログに載せるにあたり、本人より快諾を頂き本当にありがとうございました。
posted by nj_wa at 18:12| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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